

このナミブ砂漠は今から約8,000万年前にできたとされ、その広さは約49,000平方kmにも及びます。見渡す限り砂丘が広がるその風景に、ブッシュマンが“ナミブ=何もない”と名付けたのも頷けます。大西洋に面しているためわずかながら湿った空気が流れ込むので、不毛の大地と思われがちな砂漠にも特殊な命を育んでいます。その代表がウェルウィッチア(日本名=奇想天外)です。
◆ソッススフレイ/Sossusvlei
世界最高の高さを誇る300m級の砂丘群が連なるソッススフレイはナミブ砂漠最大の見所です。朝日や夕陽が当たり生み出される赤い砂丘群と黒のシルエットは、息をのむ美しさです。砂丘に登ると、冷たい風が、この広大な砂漠というキャンバスに目を見張るほどの美しい曲線を描いているのが分かります。その模様は二つと同じものがなく、その瞬間が世界でたった一つの作品となっているのです。ソッススフレイには干上がった湖があり、雨季にはオアシスが姿を現します。

かつてこの辺りでは多くの船が難破し海岸に打ち上げられ、まるで船の墓場の様相を呈していたことからこの名が付けられたといわれています。海と砂漠がせめぎ合う荒涼とした景観が続く海岸に、ところどころに残るうち捨てられた難破船の様子は、まさに「骸骨海岸」の名にふさわしい光景でした。しかし、かつて点在していた難破船は、自然環境保護の観点により、その多くが既に撤去され、現在見ることはできません。荒涼とした大地でも、ハイエナ、ジャッカルなどの野生動物の棲息地であり、運がよければ出会うことがあるかもしれません。スケルトン・コースト公園の入り口はケープ・クロスの北約75kmのところにあります。

◆ケープ・クロス/Cape Cross
スワコプムンドの北約115kmの所に位置するミナミアフリカ・オットセイの大群生地。何万頭ものオットセイが群れをなしています。


アフリカ大陸に残されているサン族(ブッシュマン)の壁画の中でも最も広範囲に描かれているのがこの場所。普通の壁画が赤石を砕いたものに血などを混ぜて木や毛などで描いているのに対し、ここの壁画は岩に彫り付けてあるのが特徴です。トゥウェイフェルフォンティーンのあるダマラランド地方には、パイプオルガンの岩やフィンガーロックなど奇天烈な景観を楽しむ事ができます。

スワコプムントの東、車で2時間ほど行った所では、砂漠の真ん中で何千年も生きるという不思議な巨大植物ウェルウィッチアが見られる。途中にはムーン・ランドスケープ(月面世界)と呼ばれる、奇妙な風景が広がるエリアがあり、なだらかな山々が視界いっぱいに広がる様は、まさしく他の惑星に降り立ったようです。

◆ウェルウィッチア/Welwitschia
ナミブの主といえば、ウェルウィッチア(=奇想天外)でしょう。発見者フリードリッヒ・ヴェルビッチにちなんで名付けられました。一見何枚にも見える葉は、実はたったの2枚のみ。葉の基部に成長点があり、縦に裂けながら成長し、新しい部分が生まれると、古くなった部分は枯れていくのです。そうやって、彼らはおよそ1000年、長寿のものになると何と2000年も生きています。では、どうやって成長するのでしょうか。大西洋を流れる海流の影響で朝霧が発生し、その水分を長さ約5m、幅1mの大きな葉から呼吸しているのです。過酷な乾燥地帯で生き抜こうとする彼らの逞しさを感じずにはいられません。